建築費1000万円台 ローコスト住宅の特徴を知って、住まいづくりに生かしてみよう
- 住宅基礎知識
- 2020.10.07
シンプルなデザインや間取りでコストを重視した家
「ローコスト住宅」に明確な基準はありませんが、一般的に建築費1000万円台の住まいが、相場よりもコストを抑えたローコスト住宅に分類されています。各住宅会社がローコストを実現している要因には、主に住まいの「材料費」や「人件費」「宣伝費」といったコストを抑えていることが挙げられます。たとえば使用する建材や設備などを統一して、大量発注することでコストを抑えたり、設計・施工を合理化して施工品質を保ちながら人件費を抑えたり……、様々な企業努力によってローコスト住宅を実現しています。
ローコストで住宅を建てるためには?
建築費をできるだけ抑えながら「あれもしたい、これもしたい」と理想をすべて叶えようとしてしまうと、予定していたコストをオーバーしてしまいます。しかしローコスト住宅の特徴を知って、「間取り」「プラン」「設備」などを見直すことで、かしこくコストを抑えながら理想を実現した住まいを手に入れることができます。
「間取りの形状はできるだけシンプルに」
コの字型やロの字型など、特殊な形状にすると建物の表面積が多くなるため、それだけ材料費がかかってしまいます。そのためシンプルな箱形の外観や、1階・2階の床面積がほぼ同じの総2階の家が多いのが特徴です。また屋根についても同様で片流れ屋根などシンプルな形状であるほど、コストを抑えることができます。
「部屋数を少なくしてコストダウン」
部屋数を少なくして、壁を減らすこともコストダウンにつながります。部屋数が少なくなることはデメリットに感じるかもしれませんが、1階は壁のない広々としたLDKをつくり、2階に居住スペースを集中することでメリハリのある居住空間を実現することもできます。
「設備は住宅会社の標準仕様に」
建材や住宅設備は住宅会社の設定した「標準仕様」にすることで、コストダウンすることができます。建材や住宅設備は統一して大量発注することでコストを抑えているため、標準仕様以外の建材や設備に変更すると、それだけコストが上がってしまいます。どうしても導入したいキッチンがあるなど、ゆずれない要望がある場合は、他の部分でコストを抑えながら実現する必要があるでしょう。
「ローコスト住宅」と聞くと、不安を持たれる方もいるかもしれませんが、前述したように多くの住宅会社は作業・業務の合理化や大量仕入れなどで、コストを削減して住宅の価格に還元しています。もちろん建築コストを抑えることで、家づくりの理想をすべて叶えることは難しくなります。しかし予算に余裕を持たせることで、将来の暮らしの変化に備えたり、学費や老後資金など住宅以外にお金を回すことができるメリットもあります。
自分たちが住まいづくりにどれだけ予算をかけるのか、住まいのデザインや間取り・設備などの要望などをリストアップして、優先順位を明確にして納得のいく家づくりを実現させましょう。