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住まいに欠かせない断熱・気密とは?岡山で永く快適に暮らせる住宅性能を知ろう

住宅基礎知識
2017.10.26

新築の住まいを建てるなら高気密・高断熱の「夏に涼しくすごせて、冬も暖かい家にしたい」というのは誰もが思い描く理想だと思います。住まいの断熱・気密性能を高めることは快適性を高めるだけではなく、住宅の長寿命化や、住んでいる人の健康にも影響してきます。
さらに2020年からは、一定の省エネ性能を満たした住まいの建築が義務化されるなど、今後、断熱・気密をはじめとした住宅性能はより注目を集める可能性が高まっています。
そこで今回は断熱・気密が暮らしにどんなメリットがあるのか、そして岡山ではどんな性能を求めればよいのかについてご紹介します。

 

 

住宅における断熱・気密の役割
まず「断熱」の役割とは、その名のとおり室内と外気の熱を遮断することにあります。夏であれば屋外からの熱を遮断することで家の中を涼しく保ち、反対に冬であれば室内の熱を外に逃がさないようにします。現在では断熱材をはじめとした、建材の性能も向上しているため、ひと昔前の住まいに比べて容易に断熱性能を得られるようになっています。
しかし断熱性能が上がり、室内と外部の温度差が大きくなると壁の内側や天井などで結露が発生しやすくなります。こうした住まいの内部で発生する結露は、大切な構造部分を劣化させてしまうため、気付かないうちに住宅の寿命を縮めてしまいます。そこで重要になるのが「気密」になります。気密を高めることで湿気をシャットアウトして、壁内などに結露を発生させないことが大切です。

さらに「気密」をとることは、断熱性能を高めることにもつながります。分かりやすく例えるならば断熱は「セーター」で、気密はその上から着る「アウター」です。真冬にセーターだけでは凍えてしまいますが、その上から風を通さないアウターを着る必要があるように、高い断熱性能を発揮するためには気密性が欠かせないのです。

 

 

 

2020年からすべての住宅で義務化される「省エネルギー基準」
以前から住まいにおける「省エネルギー性」に関する一定の基準が定められましたが、あくまでも努力目標で強制力のあるものではありませんでした。しかし2013年、新たに「改正省エネルギー基準」に改正され、基準でしかなかった省エネ性能が2020年にはすべての新築住宅を対象に義務化することが政府によって進められています。
住宅の省エネ性能に関する義務化は、海外では数十年前から定められていて、日本の住宅性能は他国に比べると基準が低いと言わざるを得ない状況にあります。もちろん国によって環境や気温の違いはありますが、岡山は温暖地だから断熱・機密性能は必要ないという考えは間違っています。 その理由は大きく二つあります。

ひとつは「住まう人の健康」。意外に感じるかもしれませんが、急激な温度差によって失神や心筋梗塞を引き起こすヒートショック事故は、九州など比較的温暖な地域に多く、北海道や雪国の東北各県は少ない傾向にあります。なぜかと言えば寒冷地に比べて性能の低い家に住んでいるからです。しっかりと断熱・気密性を高めた家であれば、室内の温度差を少なくすることができ、こうした事故のリスクを減らすことができます。
そしてもう一つの理由は「光熱費」です。高断熱・高気密の住まいは暖房効果が高く、少ないエネルギーで住まい全体の暖かさを維持できます。例えば月々光熱費が20,000円の住まいがあるとします。しかし住まいの性能を上げて、月々5000円程度に抑えることができればその差額は15,000円。高性能住宅を建てようとすると建築費用が高くなりますが、光熱費は下がっていきます。結果支払う金額が同じであれば、性能をできるだけ高めていくことが住み手にとってメリットのあるやり方ではないでしょうか。

また今後、建物の性能基準が引き上げられることで、性能の良い建材が多く流通することが予測されます。つまり将来的には、今よりもっと安い価格で高性能の住まいが建てられることになり、低い性能で建ててしまうとすぐに型落ちになってしまったり、“昔の家”になってしまう可能性もあります。

 

 

温暖な岡山だからこそ実現できる高い住宅性能
今後、住まいの性能に基準が設けられ、段階的に高くなっていくことが決まっている現在、コストバランスを見極めながら、できるだけ性能の高い住まいを求めることが、重要になってくるのではないでしょうか。
岡山のような温暖な環境であれば、寒冷地と同性能の断熱が安価で実現しやすいという有利さもあります。また前述した通り、数年前に比べて国産の建材性能も上がり、安価で性能の良い住まいを実現しやすい環境が整ってきています。そのため長期的な目線で見れば、いま高断熱・高気密性能を求めることは大きなメリットがあると言えるのではないでしょうか。

 

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取材協力

倉敷木材株式会社 住宅事業部

家づくりプランナー 福本さん

http://www.kuramoku.com/


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