岡山でも他人事ではない地震災害。住宅購入前に知っておきたい「住まいの耐震」基礎知識
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- 2018.05.09
近年、「東日本大震災」や「熊本地震」などの大規模災害が相次いで発生し、今後も南海トラフ地震をはじめとした巨大地震が予測されています。岡山は全国的にも地震災害のリスクが少ないとされているエリアですが、これからマイホームを考えている皆さんは購入しようとしている家が地震に強いかは気になるはずです。そこで今回は、住まいの耐震に関わる「耐震等級」と「耐震・免震・制震」についてご紹介します。
地震への強さの目安となる「耐震等級」とは?
耐震等級とは建物の地震に対する強さをあらわす指標のひとつで、3つの段階に分けられています。等級は1~3と、数字が大きくなるほど耐震性が高くなります。
耐震等級1 | 数百年に一度程度発生する地震力(震度6~7)に対して倒壊・崩壊しない |
耐震等級2 | 耐震等級1の1.25倍の地震力に対抗できる |
耐震等級3 | 耐震等級1の1.5倍の地震力に対抗できる |
上の表からも分かる通り、「耐震等級」はその住宅が、「どれくらい強いか」を分かりやすく知ることができます。また耐震等級2以上を取得していることは、「長期優良住宅」として認められる条件のひとつであるというメリットもうまれます。
「耐震」「制震」「免震」地震に強いのはどれ?
また建物の地震対策として工法として「耐震・免震・制震」の3つがあります。しかし、これらの言葉は聞いたことがあっても、その違いについて知らないという方も多いのではないでしょうか。住まいづくりでよく目にする「耐震・免震・制震」それぞれの特徴を踏まえて、あなたの住まいづくりに生かしてください。
1. 「耐震」地震の揺れに耐える
柱や壁など構造そのものの強度を上げることで揺れに耐える構造です。頑強さに優れている一方で、地震の揺れが建物にダイレクトに伝わってしまうというデメリットもあります。
2. 「制震」地震の揺れを吸収して制御する
建物の構造内部にオモリやダンパーなど、地震の揺れを制御してくれる装置を組み込んだ構造です。高層ビルなどの高い建物にも多く採用されており、建物に“しなり”を持たせるため何度も繰り返し起こる地震に対して強いところが特徴です。
3. 「免震」地震の揺れを受け流す
建物と地面との間に振動を吸収する装置を設置することで、地震の揺れを建物に伝えない構造です。建物が地面と切り離されているため、建物自体に地震のエネルギーが伝わりづらく損傷等のダメージが少ないのが特徴です。
地震に対する強さでは免震が一番
どの工法も地震対策として優れていますが、なかでも「免震」は基礎部分に埋め込まれた免震装置が地震のエネルギーを吸収し、建物に直接揺れを伝えないため、耐震・制震と比較すると一歩リードしていると言えるでしょう。過去の震災で起きた事例でも免震構造を施したビルは他のビルに比べて、揺れを三分の一程度に抑えていたというほうこくもあります。しかし「免震」はこうしたメリットがある一方、大規模な工事が必要なため十分な敷地が必要だったり、コストが高いというデメリットも抱えています。
地震大国の日本では、いつどんな地震が来るか分からないものです。せっかく建てた家を災害によって失ってしまっては、元も子もありません。これから住宅の購入を検討されている方は、地震対策も良く考えてマイホームを計画してみてください。